かけがえのない人


わたしが黙っていると航が口を開いた。

「俺さ、愛結と一緒にいると落ち着くんだよ」

まさか、航がそんな風におもっててくれてくれてたなんて、わたしを同じ気持ちだったなんて知らなかった。

「わたしもだよ」

そう答えると航はいつもの優しい顔で笑った。

「わかんないんだけどさ、最初はきまぐれだったんだ。愛結に放課後毎日図書室で会おうっていったこと」

「うん」


< 68 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop