かけがえのない人


「でも、いまはきまぐれなんて思ってない。俺の意思で図書室にいってる。愛結と話したくて。」

「航・・・」

「愛結が俺がいると嫌だっていうなら別だけどさ、そうじゃないならもうやめようなんていうなよ」

強くいってくれる航に、そこまでわたしのこと思ってくれてるのかとすこし驚いた。

「いやなわけないよ。でも不思議だったんだずっと。わたしなんかになんで会おうなんていったんだろうって」

「愛結はなんかじゃないよ。全然図書室で会うまで愛結のこと知らなかったけどさ、愛結ほんと優しいし、気が遣えていいやつだと思う、俺好きだよ愛結のこと」


きっと航がいった好きは恋愛としてではないと思う。流れでそのままいってしまっただけだと思う。

そう思うけれど、とても嬉しかった。少なくとも嫌われているわけじゃないんだって安心した。


< 69 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop