かけがえのない人
「でも、いまはきまぐれなんて思ってない。俺の意思で図書室にいってる。愛結と話したくて。」
「航・・・」
「愛結が俺がいると嫌だっていうなら別だけどさ、そうじゃないならもうやめようなんていうなよ」
強くいってくれる航に、そこまでわたしのこと思ってくれてるのかとすこし驚いた。
「いやなわけないよ。でも不思議だったんだずっと。わたしなんかになんで会おうなんていったんだろうって」
「愛結はなんかじゃないよ。全然図書室で会うまで愛結のこと知らなかったけどさ、愛結ほんと優しいし、気が遣えていいやつだと思う、俺好きだよ愛結のこと」
きっと航がいった好きは恋愛としてではないと思う。流れでそのままいってしまっただけだと思う。
そう思うけれど、とても嬉しかった。少なくとも嫌われているわけじゃないんだって安心した。