かけがえのない人


「うん、ありがとう。
わたしも航のことすきだよ」

「あはは、さんきゅ」

わたしたちの関係はこれで十分だって思えた。



でも、だからといってあのことを忘れたわけではない。

航はわたしがやめようといってもやめないといってくれるから、それをわざわざ否定できない。

もし否定するんだとしたら、あのことを話さないとわかってもらえないだろうから。



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