かけがえのない人
そのときに思った。別に人と話すのが嫌で本を読んでいるわけじゃなく、ただ人見知りなだけなんだなって。
その日を境にわたしたち3人は一緒に行動するようになった。
「瀬那ちゃん、愛結ちゃん、次移動だよ」
わたしたち2人と違ってしっかり者で、いつだってわたしたちを助けてくれた。
「あ、そうじゃん、ありがとう。てか彩香ー、ちゃん付けじゃなくていいよ!」
そう瀬那が返しても彩香は「うん・・でも・・」というだけだった。
途中から別に彩香が呼びたい呼び方でいいんじゃないとなり、瀬那も何もいわなくなった。