かけがえのない人


教室に戻る途中わたしはふと昨日のことを思い出して瀬那に先に戻ってといった。

「え、愛結どうしたの?」

そう瀬那がいったけれど、わたしはそれには答えず反対方向に走り出した。


外にでると雨がザーザー降っていた。でも傘は教室だし、なによりわたしには傘をさす資格なんてない。


彩香が飛び降りたのはわたしのせいだ。


瀬那だってはぶいたりはしていたけれど、飛び降りたのは昨日わたしが本を外に捨てたから。

許してもらえるなんて思ってないけれど、とりあえず本を見つけて謝りにいこうと思った。

教室の位置からするとここらへんなはずだと思って探していると見つかった。


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