Romantic症候群
日美は懸命に言葉を探して、困ったようにうつむいた。
「ちょっと~可愛い乙女をいじめないでくださいよ」
「彼方」
いたずらっぽく笑いながら、彼方は明らかに先輩であろうホストたちを日美から引き離していく。
「まったく、No1の考えることは分かんないよな」
「うんうん」
口を尖らせて、元いた場所へ戻っていくホストたちにホッとしていた日美は、ふと自分の体が軽くなったことに目を丸くした。
「お、下ろしてくださいっ!!」
「ちょっ、暴れんなよ」
日美をお姫様だっこしていた彼方は、バランスを崩しそうになりながら慌てて言った。