Romantic症候群
「よかった。ちゃんと家に居る」
数時間後。
自分が家から出た形跡がないことに安心した日美は、思わず微笑をこぼした。
そして、元気にベッドから抜け出すと、お気に入りの服に着替えてケータイを手にした。
「もしもし」
5回目のコール音のあとで聞こえたのは、聞きなれた優しい声。
「あ、舞香?今から遊べるっ?」
「うん、いいよ」
快く誘いを受け入れてくれた舞香に感謝しながら、日美は着々と出かける支度を進める。
本当に久しぶりに、心が浮き立っていた。