Romantic症候群


「何かもう、頭の中ぐちゃぐちゃ」


自嘲的に笑う日美を、彼方は眉間に皺を寄せて見つめる。


その表情にドキドキしながらも、日美は一切の感情を顔に出さず、天井を見上げた。


「日美ちゃ」
「ゴメンなさい。迷惑ばかりかけて!この間のジャケット、明日にはお返ししますから」


彼方の言葉を遮り、勢いよく立ち上がると、そのまま玄関へと向かう。


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