Romantic症候群


-…緊急の電話だったら、困る、よね?


しばし考えこんだあと、日美は彼方の妹として電話に出ることを決め、ボタンを押した。


「ちょっ、彼方!?今どこ?仕事?母さんが倒れて大変なのよ!」


日美が声を発するより先に、電話の相手は切羽つまった声で言葉を並べた。


「あ、あの-…」


親族なら、彼方の妹作戦は通じない。


日美は戸惑いがちに、小さな声を出した。


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