Romantic症候群


安堵の息をつきながらも、美樹が「母さんが倒れた!」と言っていたことを思い出して、慌てて出かける支度をする。


10時を過ぎた夜の世界に身震いしながらも、タクシーに乗り込み、彼方の仕事先へと急ぐ。


繁華街に向かうにしてはラフな恰好かつ、子供じみた顔立ちの日美に、タクシーの運転手は眉を寄せたが、


日美は笑ってごまかすしかない。


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