Romantic症候群


「あの、アタシ彼方さんに緊急連絡しにきて」


「は?彼方?」


日美の言葉に、出てきた男は怪訝そうな顔をする。


「ま、入んなよ。あんたの名前、彼方に伝えてくるから」


「あ、はい。ありがとうございます!」


「で、名前は?」


「雨宮 日美、です」


軽くうなずきながら、店内に入っていく後ろ姿を、日美は黙って見つめる。


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