Romantic症候群


「すみませんっ、大丈夫です」


そう答えながら、ようやく温まってきた体に安心する。



「よしっ!完了っ」

「ありがとうございましたっ!」


数分後、パンパンと手をはたく彼方に、日美は慌てて頭を下げる。



「そんじゃ、ちょっと待ってて。車、まわして来るから」
「へ?」
「その足じゃ歩けないでしょ」


優しく笑って、控え室の方に消えていく彼方を、日美は頬を熱くして見ていた。



「ねぇ、日美ちゃんだっけ?どしたの、こんな時間に」
「あ、えと、ちょっと」


裸足に部屋着の日美を不思議に思い、そばにいたホストたちが問いかける。





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