生意気オオカミの虜

意味わからない、何を言ってるのよこのおじさんは。

なんて思いながらムーッとする私に佐村さんは続けて言った。



「 凛君にはまだまだ羽ばたいてもらいたいんで出来れば距離を取ってもらいたい 」



凛の前で、私に堂々と言った佐村さんはプロだと確信、納得。

ただ凛は怒りがさらに頂点へと上る。



「 佐村… 」

「 はい?」

「 凛、やめてよ、ね?」



私にはわかる。

産まれた時から知ってる凛だもの。



「 モデル辞めて大学行くわ 」

「 え!?」



やっぱり、言うと思った。

でもね、私のためって嬉しいけど逃げ道や隠れにはしてほしくないの。

凛が自分で決めた道だから……



「 凛君!」

「 俺は羽奈と再会するために、ガキじゃない証明のためにやってただけだ。
あんたのためでも、他の女たちのためじゃない。俺は人形じゃないんだ、辞める 」



凛はいつだって私が一番。

ずっとずっとそう。

そんなに思われてどうしよう……

好きって今言いたくなる。

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