生意気オオカミの虜

相手が見知らぬ男でもなく、好きな人とも違う。

凛だから、なんの抵抗もない。

それが危険とは呑気な私は気にしてない。

凛は男なんだと、わかっているつもりなだけだ。



「 ちゃんとトランクス履いてるし、ズボン脱ぐのに足に当たると痛いんだよ 」

「 あ~ なるぼと。仕方ないなぁ 座って、ズボン引っ張るから優しく 」

「 立ったままでいい 」

「 え~ 」



ワガママだな!



無知ではないはずの私に危機が迫る。



「 はい、脱がすからね~…… 」



って、ちょっと待って!

凛は立ったまま、私は前にしゃがんでズボンを下ろす……

目の前にトランクス?

え?

は?


なぜっ!!



瞬時に顔が赤くなる。



「 ごめん、出来ない!てか座ってよ~ 」

「 羽奈やらし~ 」

「 あんたが言うな!」



ったく。

なんだって高3男子はこんなにエロいの?

凛なのに!



「 羽奈、シャワーするから覗くなよ 」

「 見ないわ!」



高3男子なんて、そりゃあ男に違いないけど凛もその一人で、当然エロい事は普通に考えたりする年頃だよね。

わかってるけど……

凛は縁遠いままで良かったのに。


あ、じゃああのキスって……

もしかして初めてじゃないとしたら、どこの誰とキスしたわけ?


えっ、凛のファーストキスって…


誰!?




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