生意気オオカミの虜
シャワーの音が耳に入りながら悶々としていた。
そんな時、インターホンが鳴った。
時計を見ると、夜21時前。
誰だろ…?
「 え、太陽さん?」
急いで玄関を開けると、目の前に紙袋が見えた。
「 こんな時間にごめん。羽奈ちゃん、急いで上がっただろ、だから持って来たんだ 」
「 すみません、でもそれ何ですか?」
「 フローズンゼリー。オーナーが旅行行ってたろ、羽奈ちゃん帰った後に店に来てみんなに土産をさ 」
それでわざわざ?
なんて優しい太陽さん!
「 食べる?」
「 はい!もちろんです 」
…あ。
ダメだ! 今はまずいっ
凛がいるー!
「 どちら様? 」
凛!!
美容室・美風館のイケメンスタイリスト太陽、そして私、その後ろにはバスタオル巻いただけの凛がいた。
こんな光景はそうそうない。
イケメン太陽さんと成熟前のキラキラな凛。
心臓が変に踊ってる、ヤバいよ!
「 俺の女に用?」
「 な… 凛!」
「 羽奈ちゃん… 彼氏いたんだ 」
「 そう、用が済んだなら出てよ 」
「 凛! 太陽さんは私のバイト先のスタイリストさんなの!上司よ、上司!失礼な事言わないでっ 」
凛の勝手な物言いに腹が立ち、太陽さんと外へ出た。