生意気オオカミの虜
なんで凛はいつもああなの!!
「 すみません、太陽さん!ほんとに申し訳ないです 」
「 ぷっ… そんな謝ることないよ、別に悪い事してないでしょ 」
太陽さん大人! 素敵!
「 羽奈ちゃんにあんなイケメン彼氏がいたなんて知らなかったな 」
「 え、イケ… ああ凛ですか。アイツは幼馴染みで年下の高3男子なんです、仕事もアイツが原因でして… すみません 」
「 幼馴染みね、そっか。ちょっとホッとした 」
ん? ホッとしたって、なんで?
少し歩こうと互いにアパート回りを話ながら行く。
ゆっくりとした足取りで、ちょっと大人とデートしてる気分だった。
凛が気にならない訳じゃなかったが、今の心地よさに浸っていた。
「 そんな頃から知ってるなら、羽奈ちゃんは自分のって気持ちになるのもわかるな 」
「 そうですかぁ? 生意気でワガママで自分勝手で… ムカつく時もあるけど可愛いですね、やっぱり 」
うん、凛は可愛い奴よね。
「 明日は出勤?」
「 はい、そのつもりです 」
「 明日良かったら朝早くに店に来れない?それか閉店後 」
「 何かあるんですか?」
「 髪、やってあげる 」
え… えー!!
「 ほんとですか! うわぁ嬉しいっ 」
とんでもなく嬉しい私はそれを隠しきれない。
太陽さんはいつも予約で埋まっているほどで、私たちスタッフでもなかなか太陽さんにはやってもらえない。
だからこそ、嬉しい誘いだ。