生意気オオカミの虜

明日も互いに学校のためゼリーを食べながらテレビを見て仕方なく一緒にベッドで眠る。

こっそり頼にメッセージを残しておいた。

朝6時に凛を迎えに来るようにと。

なぜなら私は太陽さんとの約束があるから。



そして翌朝。



頼はきっちり6時に凛を迎えに来た。

嬉しくない顔の凛だが素直に帰って行った。

私は私で美容室へ行く準備。



「 髪は切りたくないけどな~ 太陽さんに任せてもいいかも 」



あー、ドキドキする!



約束の時間10分前、店の裏にいると太陽さんが出勤してきた。

自然と顔が微笑む。



「 おはよ、羽奈ちゃん 」

「 おはようございます!」



裏口から店に入り、太陽さんが電気をつける。

私は太陽さんに言われるままに準備を始める。



「 ワゴンに黒いタオルひいて、黒いクロス、あと赤いのと黒いタオル2枚用意してピンも、イヤーキャップとクリーム、イノート(髪の保護剤)あとは座ってて 」

「 はい 」



ワゴンにタオルひいて……

もしかして、私の髪染めるのかな?



座って待っていると、カシャカシャと音が聞こえる。

そして、太陽さんがカラー剤を手にしてそばに来た。



「 今からやること、覚えてね 」

「 はい 」

「 まず、赤いタオルを首に…手がお客さんの顔に触れないように。次はクロスを… 黒いタオルを首後ろから前へとかけて止める。
髪の生え際回りにクリームを塗って、イヤーキャップを。それから髪を労りダメージから守るイノートをかける、いい?」



な、何がなんだか……



「 ま、そのうちね。髪染めるけどいい?」

「 あ、はい。お任せします、派手にはしないでくださいね 」

「 大丈夫、任せて 」



楽しみ、ドキドキだ。

何色かな?

茶髪か、ダブルカラーしちゃうとか?


人気のスタイリスト、太陽さんにやってもらえるなんて……

嬉しすぎる!



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