生意気オオカミの虜
あ、でも私、お金いくらもってたかなぁ
大丈夫かな、払えなかったら分割にしてもらえるかな?
「 羽奈ちゃん、何考えてる?」
「 え、ああ… いえ別に 」
「 昨日の幼馴染みの事?」
「 あ~ 凛なら今朝ちゃんと帰りましたよ。学校あるし 」
「 高3だったね 」
そ、高3男子。
元気な奴だわ。
学校行ったら女子たちに大丈夫?とか散々聞かれて困るんだろうな~
凛モテるし、頼もだけど。
あれ、そういえば私、モテてない!?
落ち込むし~
「 どんな感じになるか楽しみだな 」
「 はい 」
何色にしたかはシャンプー後にわかる。
オレンジ、ではないなとわかる。
そしてシャンプー台へ移動した。
ゆっくりと倒れていく椅子に、太陽さんは私の頭を支えてくれている。
シャワーヘッドから湯が出て流されるカラー。
「 ごめん、首にカラーついたみたいだからリムーバーで落とすね 」
「 はい、すみません 」
でも、なかなか落ちないのか擦る太陽さんは手を止めた。
「 羽奈ちゃん… これ、カラーじゃなかった 」
「 そうなんですか、私アザとかは首にないし、なんだろ 」
虫にでも刺された?
「 これ、キスマーク… だな 」
……は、い?
「 い、いいいい今っ、何て!?」
キスマークって言ったの?
なんで、どうして、そんな現実あるわけない!
キスマークってなんなのよー!!