生意気オオカミの虜

なぜ首にキスマークが……

夢でも見てついたのか、そんバカな話があるわけない。

ピンッときたのは昨夜の事。



あの時…… 凛が?

私くすぐったかった、あれはキスマークつけてたんだ。

なんてやつなの!!



「 羽奈ちゃん、お疲れ様 」

「 はい、ありがとうございます 」



せっかくの太陽さんのシャンプーが、気持ちよかったはずなのに凛のせいで!



「 乾かすよ 」



あれ、なんか毛先が… 赤い?



髪が乾いていくにつれて髪色が変わっているのが見てわかる。

真っ赤でもなく、ピンクでもなく…

程よく品のある茶色い髪に耳下から赤く見える色味。



「 これ、どう?チェリー色、新色なんだ 」

「 新色… 派手じゃなく、落ち着いた感じに見えますね 」



ちょっと、暗め?



「 外に出で陽に当たると色、よくわかるよ。
自分には合わないとか恥ずかしいとか、変に見えないかとか… 色はその人によって見方も見え方も違うから、新しい気分と新しい自分に出会えるんだよ 」



太陽さん……

それは、私に似合うって言ってるの?



「 はい、終わり。羽奈ちゃんの色だよ 」

「 チェリー色、ですね 」



私の色かぁ… 初体験だな。

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