生意気オオカミの虜
まるで新しくなった私。
「 じゃあまた 」
「 はい、あの… お金は 」
「 いいよ。新色試したかったし、羽奈ちゃんの髪触りたかったから 」
え、髪に……
やだ、何これ照れる。
「 スタッフたちが来る前に羽奈ちゃんは出ようか 」
「 片付けは… 」
「 いいから、俺がやる 」
「 そうですか、すみません… じゃあ私 行きますね、ありがとうございました!」
外へ出ると髪を見てみた。
太陽に当たる髪は赤くベリーな色に見えた。
カラーはチェリー。
人により色合いが違って見える。
なんて綺麗な色……
店の中じゃこんな風には見えなかった。
すごいな、髪ってこんなに変わるんだ。
スマホで自分を写してみると、自分じゃないみたいでドキドキする。
顔も違って見える。
「 よし!何でも出来そうな気がする 」
時間に余裕があったため、美世に電話した。
そして大学近くのカフェで朝を過ごすことになった。
「 ちょっと~ 羽奈、あんたどうした?」
「 んふふ~ よく聞いてくれた!髪、見て 」
髪の束を美世に見せると、美世の顔がパァーとした。
つい得意気に染めた事を話した。
「 いいなぁ 私は赤はちょっと苦手だけど、そうやって染めたの見るとやりたくなるな 」
そうでしょ、そうでしょ。
太陽さんに感謝しなきゃね。
頼と凛にも自慢しよ!