生意気オオカミの虜
美世に羨ましがられ、何か1つでも違う事、見え方があるならそれは個性。
すごく嬉しい個性。
「 あのさ、羽奈… すごい噂聞いたんだけど 」
「 すごい噂?どんな 」
「 イケメン泉沢 頼に彼女が出来たって 」
え、頼に?
「 彼女が? 嘘~ 」
私は聞いてない、頼も凛も私には隠し事しないから。
「 それだけじゃないの、弟の凛君、私が偶然見たんだけど、コンビニ前にいるとこ。
女がいたの!腕組んでて、ちょっと茶髪の綺麗な子といたの!」
美世の話を聞いていてピンッとこなかった。
頼はとにかく女がどうとか噂をよく聞くけど本命はいない。
凛も頼ほどじゃないが、モテる。
浮いた噂くらいある方が幼馴染みとしては鼻が高いものだ。
「 それほんとかなぁ?」
「 羽奈は幼馴染みでしょ、気にならないの?いつもそばにいる二人に自分以外の女だよ、嫌じゃない?」
私以外の、女……
どうなんだろ。
今まで考えた事もなかったな……
あ、そっか… 二人に彼女が出来たら私は…
「 ただの幼馴染みだよな~ 」
「 何言ってるの、羽奈のバカ 」
ん~ そう言われても……
あの二人は私のじゃないんだよ、美世。