生意気オオカミの虜
凛にはこう返事した。
大丈夫!と、一言だけ。
高3男子を甘やかしてはならぬ。
「 美世、誰かイケメンいない?」
「 いない! だいたい泉沢兄弟がそばにいるあんたが気に入る男がいるとでも?」
「 意味不明。頼たちは関係ないし 」
そりゃあ誰でもいいってわけじゃない。
私にも好みがある。
適当はダメ。
ちゃんと恋ができる人がいい。
「 彼氏の友達あんまりいいのいないんだよね~ あ!ねぇ バイト先で誰かに聞いてみたら?美容師だもん、お洒落じゃん 」
「 あ~ そうだね、うん、聞いてみる 」
ふと、太陽さんが浮かぶ。
さすがに太陽さんはダメだろうが、太陽さんの友達やバイト仲間に聞いてみよう。
「 あ、また凛だ 」
「 今度は何?」
「 マジで痛いって怒りマークついてる、可愛いおバカさん 」
「 ……羽奈、高3男子も立派な男だよ、あんまり可愛い可愛いって舐めてるとやられるよ 」
可愛いものは可愛い。
舐めてなんてないし、凛だもん。
まぁキスはされたけど……
それにキスマーク、許さないんだから。