生意気オオカミの虜
まさか、大学にまで頼を追いかけてくるとは危ない。
それだけ思いが強いとわかるが、このままではタメだ。
「 3か月前の合コンで出会って… 泉沢君はなかなか話せないでいた私に声をかけてくれたの 」
3か月前……
「 優しい声にドキドキしたの、私… 私の目を見て話して、よそ見しないの。
空気 、私と泉沢君の回りだけ空気が違って感じたの… 恋だってわかったから 」
追いかけて2番の女って?
頼は答えを言った。
この人は頼をよく見すぎだと思うけど、諦めない恋を選んでる。
好きって、どうしたら諦められる?
苦しんだら終わる?
「 頼はあなたをこの先も選ばないよ、私だけだから。辛くても諦めて 」
私、頼の本当の彼女じゃないから平気で言ってる。
嫌な女ね……
でも、頼に気持ちがないなら応援できないの。
ごめんね、ごめんなさい。
「 恋に1番とか2番とか順番なんてないと思う。誰だって自分だけを見てほしいと思うから…… 」
偉そうに言ってる、私。
本気の恋なんかした事ないのに……
「 ……困らせてごめんなさい 」
彼女2番を希望した女は悲しみの顔のまま静かに去っていく。
ホッとした頼が私に抱きつく。
「 この貸しは高いからね~ 」
「 おいおい、羽奈~ 」
と、一件落着……
のはずが、周りにいる人らを騙した事で、私と頼は恋人となってしまった。
そう、頼の噂の恋人は私だと決定したのだ。