生意気オオカミの虜
空気があるように私がいれば周りの好機な視線が必ずある。
噂は噂に過ぎないが、頼のせいで彼女として見られている。
頼の奴……
「 羽奈~ 見たよ、この目で 」
「 千草… 何を見たのかなぁ?」
「 泉沢 頼、あんたが彼女だったじゃん、なんで隠してたのかなぁ?」
あ~……… ついに来た。
「 羽奈!!あ、千草も!」
ダブルで質問攻めね。
「 あんた、泉沢兄と!? ついさっきは何にも言ってなかったじゃん 」
「 聞いて、美世、千草。頼とは産まれたときからお隣さんで幼馴染み、頼とは何でもないの、ピンチを救っただけ 」
「 違う、羽奈わかってない!ピンチが二人を恋に発展させたんでしょ?」
はい?
「 うんうん、そうだよ男と女だもん。そのピンチとやらで火がついてもおかしくないね 」
聞いてないし信じてないね……
二人が勝手に想像しなぜか喜んでいるが、私はいい加減気になることがあった。
「 あー、もう!凛てばっ 」
朝から凛のラインメッセージが止まらない。
どれだけお子様っぽいか凛はわかってない。
キスが出来ても、やはり高3男子はまだまだだ、そう思う。
そしてついには凛から電話だ。
「 ……はい、何?」
『 無視してんじゃねーよ 』
「 忙しいの~ 凛が勉強するのと同じで私も勉強あるの、わかる?」
『 どーせ喋ってばっかだろ 』
半分そうだけど、言われるとムカつくわ!