生意気オオカミの虜
凛と話していると隣で千草が私に顔を近づけ大きな声で言った。
言ってはいけない事を……
「 おめでとう!君の未来のお姉さん羽奈だよ 」
「 ちょっ、なっ、千草!? あ、凛違うからね、今の聞こえた?違うからね 」
すでに凛から声は聞こえない。
電話は繋がってるが返事がない。
そして、切れてしまった。
そのまま千草を睨むと美世と千草二人してダブルなピースを見せている、しかも笑顔だ。
ガクッと肩から力が抜ける。
凛……
どう聞こえたかな?
未来のお姉さん、凛察しがいいからわかっちゃいそう。
ただ、問題が……
確かめるのに、私と頼とどちらに先に?
「 まずい!私頼んとこ行ってくるね 」
「 はーい、ごゆっくり~ 」
頼に電話を掛けながら急いで走った。
あちこち遠回りしながら頼を見つけると、頼はニコニコしていた。
「 羽奈、もう彼女だって公認らしいぞ 」
「 それより大変!凛が… 」
「 凛?」
「 凛が、どうしよう!」
凛の事だからきっと……
来る!
しかも… 激怒して!!