生意気オオカミの虜

かくかく然々……

頼に千草が言った事を話した。

それで凛がどう反応したか… それは私と頼が予想つくもの。

必ず来る。



「 最悪だな… 」

「 元はと言えば誰でも構わず優しくするからよ!勘違い女子が出るでしょ 」

「 それより凛だ、アイツ羽奈好きだからな… 俺の女って宣言したくらいだし、可愛い奴 」

「 可愛いとか言ってる場合!?」



わかるよ、凛が可愛いのは。

ただ厄介なのは怒らせるとめんどくさい。


そして、凛はやって来た。

制服という目立つ格好で颯爽と……

当たり前に女子大生の目を釘付けにする容姿、制服がまた目を惹く。

ただ私と頼だけがわかる表情。

凛は颯爽と…ではなく、激怒だった。



そしてとんでもなない事件が起きる。



「 あ~ 来たぁ 頼、どうする?」

「 いや、どうしよう羽奈…… 」



あー、来た来た来たー……

うわ、近っ!



無言、無声…

高3男子の威圧はすごかった。


そして……



「 ……っ!?」



凛!?



「 お前… マジかよ…… 」



大学生達の目のある中で、しかも頼が彼氏だと公認とされた中で、凛が私にキスをした。



この事がキッカケで、私はある意味有名になった。

イケメン彼氏がいながらイケメン高3男子をタブらかしていると。

三角関係の縺れ合いだと。

尻軽とまで……


もはや、私の夢見た恋は叶わなくなった。




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