生意気オオカミの虜
高3男子は何を考えているのかさっぱりわからない。
本来なら未来を考えるべき。
それなのに凛は今、私でいっぱいいっぱいらしいのだ。
嬉しいと困ったが入り交じる。
「 羽奈、凛は任せた 」
「 え! あんたの弟でしょ 」
「 羽奈じゃないとダメだろ 」
そう…だけど。
頼は凛の肩をポンとすると、凛はすぐに振り払い、頼は悲しげにため息しながら行ってしまった。
みんな頼のどこがいんだか……
「 凛… 学校戻ろ 」
「 キスしてくれたら 」
「 凛、困らせないで 」
「 羽奈じゃないとダメだから俺… 羽奈が頼兄となんてキモ過ぎる、頼むから俺を見てよ、キスしてよ 」
ん、うん?
なんでキスにこだわるの?
なんでキス……
「 羽奈は俺がキスしても平気なんだよね、幼馴染みだから男だと思ってないしな、でも俺はそれが嫌だ 」
そうだ、私……
初めてキスされた時はドキドキしたけど、ちょっと違うというか やっぱり幼馴染みだから?
でも、ドキドキはしたよ。
「 俺… 羽奈が好きなんだ、ずっとね 」
凛…