生意気オオカミの虜

その頃 学校で授業中の凛。

ノートに落書きしている、羽奈の似顔絵らしきものを。

それを横から覗き見てしまった隣の席の鮎原 百合音。

彼女は美術部でクラスでは比較的おとなしめ女子だが意思がはっきりしている。

さらには密かに凛に恋している一人だ。


プリントが配られ、後ろへと渡す。

その時にか凛は紙で指を切っていた。

それを百合音が気づきジェスチャーで凛に大丈夫かと聞く。

気にしない凛は指を舐めて終わり。

その仕草にドキドキする百合音は顔を赤くしていた。

それを斜め後ろにいる竹藤が見ていた。


そして、放課。


凛はさっさと帰支度。

チラチラ凛を気にする百合音、竹藤が凛の肩を組み誘う。



「 なぁ帰りどっか行こ!」

「 俺はいい 」

「 なんで、理由は?」

「 彼女んとこ行くし 」



彼女、つまりは羽奈。

竹藤は無性に気になるが凛は着いていく事を許さないとわかっているため、後をつける事を思い付く。



「 そっか、彼女か~ 今度写メくらい見せろよ~ 」



竹藤は凛が教室から出るとニンマリと笑い百合音を見た。



「 鮎原さぁ 泉沢の事好きだろ?」

「 え… 私、そんな…… 」



カァっと顔を赤くした百合音に竹藤は誘う、一緒に凛を尾行しようと、彼女を見てみようと。

つい誘いに乗ってしまう百合音は竹藤と一緒に教室を出た。




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