生意気オオカミの虜
凛と私から見えないように隠れていた竹藤と百合音。
羽奈と話す凛の表情にドキドキする二人。
「 鮎原~ あの人が彼女、だよなぁ 」
「 うん… 噂、ほんとだったんだね 」
「 年上彼女か~ いいなぁ 」
「 勝てないね、私なんか…… 」
「 アイツは誰でもダメだろ、あんな顔見たことないし、やめとけよ 」
「 うん…… 」
二人は肩を落としその場を去る。
凛は遠慮する気もなく羽奈の部屋へと上がる。
「 雨降りそうだね、帰るとき私の傘使って 」
「 もう帰りの話?」
「 だって雨降るよ、たぶん。雲行き怪しかったでしょ 」
そう話ながらスマホで天気予報の画面を開き凛に見せる。
すると凛はその手を握り私を引き寄せた。
見つめる凛になぜだか目が泳いでしまう。
不意に思い出してしまった……
凛の手が背中の肌を触ったことを。
や、だ…… ドキドキしてきた?
なんで、どうしてよ……
凛なのに… ドキドキしないで!
「 羽奈、キスしていい?」
え… 今、聞いた?
凛が聞いたの?
嘘……
「 羽奈にキスしたい 」