生意気オオカミの虜

キスしたい、そう言われて余計にドキドキが増幅してしまった。

生意気で可愛いく憎たらしい奴。

どんな事があっても嫌いにならないとわかっている。



「 凛… なんで私? どうして私なの?」

「 産まれた時から羽奈がいたから、それに俺は自分に誓ったから 」



誓った? 何を……



「 無条件で羽奈がいいんだよ 」

「 幼馴染みだから… 私たち。凛が私を本気で思うなんて信じられないって言うか… 」



そこ大事だよね。

長年一緒にいる関係から恋とか愛とか、どう切り替わるの?


わかんないの……



「 羽奈は俺を好きだよ、だから俺を一生拒まない 」



一生… 拒まない? そうなの?



「 拒めないって、もう自覚あるだろ? 羽奈は俺の大事な女だよ 」



凛……



近づく凛の唇に、私は目を閉じてみた。

そして唇を感じた。



やっぱり、私… 男なら頼より凛を選ぶ。

この素直な唇には勝てないもん。



「 羽奈… 」



抱きしめる凛の腕が気持ちいいと改めて思う。

心地いい締めつけだと。



「 好きだよ羽奈… 抱くよ 」

「 うん…… 」



うん? え、今 抱くよって?



「 羽奈… 」

「 うわー!! 待って、待って待って!!」



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