生意気オオカミの虜

私は当然ながら咄嗟行動に出た。

凛の顔を両手の平で押したのだ。

そりゃそうだ、凛がとんでもない事を言うからだ。

キスしたい、そこからなぜ抱くよに変わる?

飛びすぎだと私なりに思う所あり。



「 羽奈、手!」

「 や、だってごめん!けど、いきなり宣言されても凛は彼氏じゃないし 」

「 はあっ!?」



うっ、怒るよね…… ハハ。



「 だ、抱くとかまだ違うよ、キスでいいよ 」

「 男が女を抱くのは普通!好きな女を抱きたいと思うのは普通! 俺は羽奈が好きだからやりたいし、めっちゃ楽しみたいし、エロい事したいと思って何が悪い!」



は…… 何コイツ、逆ギレ?

しかもエロい事したいとかはっきりと!!

しかも私と!!


この私と!?


私と……… いや、ちょっとやだぁ

は、恥ずかしいーっ



落ち着いて、まずは落ち着くのよ。




「 凛、凛の告白は確かに聞きました。でも私の心はまだ凛と同じところまできてないと思うの、だからその… それはね、凛が高校を卒業したらって事でどうかなぁ?」

「 やだね 」



……コイツ。

私が好きなくせに反抗?



「 羽奈はわかってない… 俺がどんなに羽奈を好きで、キスするまでにどんなに勇気がいったか… 俺のドキドキが半端ないって知らないんだ…… ムカつくよ 」



凛…… あんたそんなに私を?

私よりドキドキしてるの?



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