生意気オオカミの虜
凛が頼に会いたかった理由、それは羽奈の事。
それ以外はないと頼もわかっている。
「 羽奈とケンカか?怒らせた?」
「 羽奈… 俺が好きだって、他の女は嫌だって言うんだ 」
「 へぇ 良かったんじゃないの 」
「 良くない!いいけど良くないっ 羽奈、キスしたくないって… 意味わからん 」
「 あ~…… わかるような、わかんねぇような? 羽奈にしたらいきなり恋人~ っていうラブラブに切り替えれないんだろ 」
眉を寄せてため息つく凛。
そんな凛にクスッと笑ってしまう頼。
「 凛、羽奈と俺達はいつも一緒にいたせいで感情が鈍ってんだよ、少し待ってやれ。
少しずつ凛への感情が女として出てくるのを見るのもいいんじゃねーの?」
「 余裕で言うな!ムカつく… 俺がガキみたいだろ 」
「 大事な可愛い弟が、大事な可愛い幼馴染みの相棒を好きなんて嬉しいけどね 」
「 可愛いとか言うな! …頼兄はさ、羽奈を女として見たことないの?」
凛の問いは凛が羽奈に対しての感情を自覚してからずっと思ってきた事だった。
聞かれた頼は少し驚くが、優しく柔らかな顔で言った。
「 俺は羽奈を好きだよ、産まれた時から隣にいるからな、もちろん女としてみてるよ、でも凛の気持ちとは違うな、だから安心しろ 」
「 怪しいけど… 信じてやる 」
兄貴を信じろ、頼は凛に言った。
凛は少しホッとしたようで、腹が減ったと頼に言い焼き肉を食べに行く事にした。
その頃羽奈は……
悶々としていた。
床に転がり、スマホを眺めては消し…
テレビをつけてはチャンネルを次から次へと変えていく。
「 あ~ なんか嫌、つまらーん!」
なんで凛は怒ったわけ?
キスしないから?
じゃあ凛からすればいいじゃん。
いきなり、好きよ!キスして!抱きしめて!
イチャイチャラブラブ…… する?
出来る?
どうやってよ……