生意気オオカミの虜

アパートで太陽さんを待って一時間。

インターホンが。

玄関を開ければ太陽さん。



「 お待たせ 」

「 いえ、全然 」



眩しいイケメンが迎えに… まるで王子様。

と、頭の中では漫画のシチュエーション的な感覚だ。



「 行ける?」

「 はい、どこにでも!」

「 良し 」



んふふ~ なんだろ、ふわんとした感じだな。

太陽さんが彼氏ならこんな風に毎回お迎えに来ちゃう?

女って幸せ者ね。

凛は勝手にくるもんなぁ……

ズカズカと。



「 デートだね 」

「 え?デー… 」

「 今夜はデート、その気分でいて 」



え、その気分でって… どんな気分ですか!

デート…

恋人? そんな風に見える?

黒の肩から裾までフリルなカットソーに、パープルのフレアマキシスカート、これがお気に入り。



「 可愛いね、羽奈ちゃん。紫が似合う 」

「 そうですか!?可愛い… やですよ、そんなお世辞照れます 」



お気に入りの服で可愛いとか言われた!

どうせならピアス、大人っぽいのにしたら良かったかも~




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