生意気オオカミの虜

凛… どこ?

凛… またかくれんぼ?

凛… 私が見つけたげる。

凛… ほら、おいで…… 大丈夫、私がいるよ。



凛……



私の記憶が途絶えたのは頼と電話している時だった。

4トントラックの信号軽視、それが原因で私の車に衝突。

あまりの衝撃で横転、私は病院に運ばれた。



手術室前、私の両親と泉沢兄弟の両親、そして頼、頼からの電話で遅れて来た凛は青ざめた顔で手術室前に呆然と立ち尽くしていた。



「 ……俺のせいだ 」

「 凛… それは… 」

「 俺のせいで羽奈が… 羽奈… 羽奈になんかあったら俺、生きていけない 」



そう言って涙する凛に、私のお母さんが凛に平手打ちした。

乾いた音に、お母さんが怒っていた。



「 バカなこと言っちゃダメ!」

「 おばさん… 」

「 羽奈は大丈夫よ、頑丈だから。それに羽奈は凛ちゃんのせいだなんて思わない子、羽奈を大事に思うなら守って!」



私たち家族の見えない、見える絆。

それはもうひとつの家族そのもの。


凛はおバカさんだから……

きっと、私のために泣くね。

怒って泣いてるよね、それくらいわかるんだから。



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