太陽に照らされて〜キミと掴んだ光〜
試合場に入り、礼。

3歩進んで中央の開始線に立つ。

相手と呼吸を合わせて、蹲踞する。

短い沈黙。その間に集中力を研ぎ澄ます。

準備は、できた。



「始めッ」

主審のコールで立ち上がり、相手の喉元に剣先を合わせる。

先輩の言う通り、なかなかに強かった。

でも。


ーそこッ


「ンメアアアーーーー」

振り抜いた。

今のは完璧だ。

3人の審判、全員の旗が上がる。

「メンあり」

コールがかかり、再び開始線に戻って竹刀を構える。

この1本で、確実に吉良を追い詰められたはずだ。

となれば、焦ってメンを打ってくるに違いない。

そうなればもう決まっている。

「2本目ェッ」

振り下ろされる竹刀をくぐり抜け、相手の右胴を思い切り叩いた。抜きドウ。

「ドウあり・・・勝負あり」

ざっとこんなものだ。


俺たち中央高校は、勝者数5対0と圧勝した。
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