太陽に照らされて〜キミと掴んだ光〜
紐をほどき、胴を取った。

今まで身体に張り付いていた緊張感が、スッと消えていく。

ひと息つき、後片付けをしていると、スマホが鳴った。

画面を見ると、

『橋元美緒』

と表示されていた。


俺はロビーに出て、5回目のコール音と同時に通話ボタンを押した。

「もしもし、どうした?美緒」

『拓海くん、今、大丈夫?』

「ああ」

そこで一呼吸置いて、彼女は言った。

『今日、2人で帰らない?』

「いいよ」

『良かった。じゃあ、名古屋駅の銀時計まで来てね』

「分かった。電話、切るぞ」

『うん』


切った。

すぐに会場内に戻り、片付けの続きをした。
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