太陽に照らされて〜キミと掴んだ光〜
準備を終え、宮下先生のところへ行くと、

「長谷川。もうその事は橋元から聞いてる。早いとこ行ってやれ」

と言われた。

「すいません。失礼します」

俺はそれだけ言って、荷物を持つと、走り出した。



試合後とは思えないほどの猛スピードで、駅へ向けて走った。

やがて、2本の巨大な主塔がそびえる建物が見えた。

その入り口を抜け、銀時計へ。

待ち合わせスポットとして有名なそこには、たくさんの人がいた。

そんな人混みの中でも、俺はすぐに彼女を見つける。

「お待…ったせ…」

息が上がっていて上手く言えない。

「思ってたより、早かったね」

「…ん、まあ、走って来たから…」

「それは、見れば分かるよ」

そう言って、彼女は可笑しそうに笑った。

「ねぇっ、行こう」

彼女が歩き出す。

追いついて、横に並んだ。
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