太陽に照らされて〜キミと掴んだ光〜
太陽に照らされて
今日、美緒とデートする。

ショッピングだ。

待ち合わせ場所の駅前へ行く途中で、お金を下ろした。

彼女のことだから、何かねだるに違いないと考えたからだ。



約束の10分前に着くと、彼女はもうそこにいた。

「おはよう。早いね。待った?」

「ううん。あたしもさっき来たとこ」

待ち合わせをすると、いつも彼女の方が先にいる。

俺はその度、『早すぎないか』と突っ込む。

「拓海くんが遅すぎるんじゃないの」

俺の胸中はお見通しだぞ、という感じで、美緒がプゥとむくれながら言う。

「そうかな」

「そうだよ」




今日は快晴。

頭上の太陽はギラギラと照りつける。

「さあ、行こ」

彼女が俺の手を取って、歩き始める。

最初こそ照れ臭かったけど、今は自然と出来ている。


彼女の嬉しそうな、鼻歌が聞こえた。

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