太陽に照らされて〜キミと掴んだ光〜
「実はね…」

そして、彼女は全てを話してくれた。

彼女は5歳の時に両親を事故で失い、今の家族に引き取られたのだという。

新しい環境に戸惑い、不安でいっぱいだった彼女を、お義兄さんは温かく迎え、支えてくれたそうだ。

そんなお義兄さんが、突然倒れたというのだった。

原因は脳腫瘍。

もし回復しても、もう歩けないかもしれないそう。

「そうか…、辛いな」

美緒は力無く頷く。
彼女の為に、俺は何が出来るのだろうか。

「それで、今日学校休んだんだよな?」

「そう」

「みんな心配してたぞ」

彼女の目から一筋の涙が溢れる。

「美緒、お前が泣いてどうすんだ。お前は
いつも笑顔でお義兄さんを支えて、クラスのみんなを安心させなきゃ。そうだろ?」

「うん」

「もし辛くなったら、その時は言ってくれ。出来る事は何でもしてやるから」

そう言って、立ち上がり背を向ける。

「拓海くん!」

「ん?」

「ありがとう」

彼女は笑って言ってくれた。
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