マリモ先生に恋したっぽい!
側にいた絢斗が息を飲んだのが伝わった


「アイツに……何か言われた?」



『…………え、』






ワントーン下がる声、

怒っている様な、不機嫌そうな……そんな声。いつもテンションが高い絢斗だからこそ、その変わり様は怖くて、

身体が萎縮する、



「またアイツが原因かよ?……アイツのせいで、綾は泣いてんだろ」



『ちがっ、』



「いつもだよな、小テスト返却ん時も嬉しそうに笑って、アイツばっか見て




なぁ、俺の気持ち分かんねぇのかよ、」











お前が好きなんだよ、気付けよ、


と、乱暴に抱き締められた。


『やっ!?ちょ、……やだ、絢斗っ』



「俺でいいじゃん、」



『や、……だっ、』






抱き締める手に、力が入る。

怖い。って気持ちで押し潰されそうで、




咄嗟に浮かんだ顔は……傷付いた顔したまりもで、

ふっ、と、力が抜けた――――――……








助けて、なんて私に言う資格ない

(まりもを傷付けた私が…………助けて、なんて……………………都合よすぎすぎ、)








「綾、…………キス、してい?」


そう言って、顔を近付けてくる絢斗

そんな光景を客観的に眺めている自分がいた。うんん、ただの現実逃避、

もう…………どうでもいいよ、







『笑って卒業しろよ』


唇が触れる数センチ、

瞬間浮かんだのは…………やっぱり、まりもで、
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