マリモ先生に恋したっぽい!
そっ、と教室を出て廊下へ。

直ぐ様、本題へ入ったのは安田で、






「貴女、あんな時間に男と出歩いて恥ずかしいと思わないの?」




『あの、……たまたま学校で、会って』




「あの時間に、たまたま?部活も三年はないのよ?……言い訳にしては苦しくないかしら」








と、冷めた声で告げられる。


『えと、…………勉強、してて』



「あっははっ!貴女みたいな生徒が勉強!笑わせないで、規則も守れないはみ出し者じゃないの、」








そんな、安田の一言に胸が痛んだ。

そりゃそうだ。見た目で言ったら私、ギャルだもん。スカート短いし、爪とか塗ってるし、化粧してるし、

教師から見たら、私なんてただの不良品で…………はみ出し者になるのか、






じゃあなんで………………まりもは、私そのものを見てくれたの?


今更過ぎるけど、まりもの存在の大きさを思い知る。私、何やってんだろ、

悔しくて、悔しくて、



下唇を噛み締めた――――――――……










「それに確か貴女……進学希望よね?


たいして成績良くないでしょう。異性の機嫌取りしてる方が似合うんじゃないかしら?








これじゃ内申書なんて良く書いてあげれないわね」








『そんなっ―――――――…



「ちょっと待ってくれませんか、安田先生」』









ぽん、っと不意に肩を叩かれ、

顔だけ向ければ、いつもと変わらない白衣姿のまりもが視野にはいった




(……え?………………まりも?)


急なまりもの登場に驚いたのは私だけではなかった様で、安田も校長も驚いた顔を隠せていない

「湯田さんと犬上さんは、‘’私‘’の勉強会に参加していました」



「「え!?そうなんですか!?」」







声が揃う安田と校長。

疑いの目が私に向けられたものの、





ゆっくりとした口調のまま、まりもは喋る。


「勉強会が終った時には外が暗かったので、途中まで送るよう頼んだのは私です







何か不都合があったでしょうか?」









と、しれっとして嘘を吐く。

けれど、まりものお陰で安田は分厚い眼鏡を何度もかけ直しながら、






「あ、……あらぁ、…………そう、だったの?嫌ねぇ、紛らわしいんだから」



「ほっほっほっ、安田先生の早とちりでしたか。ほっほっほっ」







二人はそそくさと、居なくなる。

……………………た、すかった?
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