副社長と恋のような恋を
角田さんとの打ち合わせが終わり、エレベータで一階に下りた。受付で来客用の証明カードを返しているときだった。
「都築先生?」
振り向くと井上編集長が立っていた。
「お久しぶりです」
「今日は打ち合わせだったよね」
「はい。角田さんに鋭いアドバイスをたくさん頂きました」
そう言うと井上編集長は、角田さんは辛口だからなと言って笑った。
何気なく井上編集長の手元を見ると、見たことのないロゴの入った紙袋を持っていた。
井上編集長も私の視線に気が付いて、袋を軽く持ち上げた。
「さっきイギリス帰りの友人と会っていたんです。そのお土産。日本では発売されていないメーカーの紅茶らしい」
「そうなんですか。すみません、不躾に見てしまって」
「気にしないでいいですよ。なにかが気になるのは作家の本能であり、性だからね。これから会社に戻るの?」
「いえ、今日は半休をもらったんで、たまには飲んで帰ろうかと。明日は休みですし」
「いつものところで?」
井上編集長の言葉に、私は軽く頷いた。
「そう。じゃあ、よい週末を」
「井上編集長も。失礼します」
井上編集長に軽く会釈をして、出版社を出た。
「都築先生?」
振り向くと井上編集長が立っていた。
「お久しぶりです」
「今日は打ち合わせだったよね」
「はい。角田さんに鋭いアドバイスをたくさん頂きました」
そう言うと井上編集長は、角田さんは辛口だからなと言って笑った。
何気なく井上編集長の手元を見ると、見たことのないロゴの入った紙袋を持っていた。
井上編集長も私の視線に気が付いて、袋を軽く持ち上げた。
「さっきイギリス帰りの友人と会っていたんです。そのお土産。日本では発売されていないメーカーの紅茶らしい」
「そうなんですか。すみません、不躾に見てしまって」
「気にしないでいいですよ。なにかが気になるのは作家の本能であり、性だからね。これから会社に戻るの?」
「いえ、今日は半休をもらったんで、たまには飲んで帰ろうかと。明日は休みですし」
「いつものところで?」
井上編集長の言葉に、私は軽く頷いた。
「そう。じゃあ、よい週末を」
「井上編集長も。失礼します」
井上編集長に軽く会釈をして、出版社を出た。