副社長と恋のような恋を
リビングから玄関ドアを見ると、ドアノブが下へと動いた。ただドアを凝視する。ドアが開き、きれいな年配の女性が立っていた。
「あら、明人のお付き合いしている方かしら?」
「え、あの、初めまして。CRONUS(クロノス)営業部の酒井麻衣です」
「明人の会社の人。明人はいるかしら?」
「あの、副社長は体調が悪く、寝室で休んでおります」
副社長の知り合いというか、たぶん家族か親戚の人らしき女性がソファに座った。
私はテーブルに広げたままのノートパソコンを片付け、荷物を端のほうにまとめた。
「明人を呼んできてくれません?」
体調が悪いとわかっていて、呼べって言うんだ。有無を言わせぬ物言いに、仕方なく寝室のドアを開けた。
副社長は薬が効いているのか、静かに寝息を立てながら眠っていた。起こすのはかわいそうだけど仕方がない。
「明人さん、起きてください」
副社長は小さく唸って、寝返りをうった。
「明人さん」
少し強めに名前を呼ぶと目が開いた。
「麻衣、どうした」
そして病人とは思えない腕の力で、私の体を引っ張る。結果、私は副社長の体の上に乗ってしまった。
「大胆だな、麻衣」
「これは明人さんのせいですよね。そんなことより、お客さんが来ています」
「あら、明人のお付き合いしている方かしら?」
「え、あの、初めまして。CRONUS(クロノス)営業部の酒井麻衣です」
「明人の会社の人。明人はいるかしら?」
「あの、副社長は体調が悪く、寝室で休んでおります」
副社長の知り合いというか、たぶん家族か親戚の人らしき女性がソファに座った。
私はテーブルに広げたままのノートパソコンを片付け、荷物を端のほうにまとめた。
「明人を呼んできてくれません?」
体調が悪いとわかっていて、呼べって言うんだ。有無を言わせぬ物言いに、仕方なく寝室のドアを開けた。
副社長は薬が効いているのか、静かに寝息を立てながら眠っていた。起こすのはかわいそうだけど仕方がない。
「明人さん、起きてください」
副社長は小さく唸って、寝返りをうった。
「明人さん」
少し強めに名前を呼ぶと目が開いた。
「麻衣、どうした」
そして病人とは思えない腕の力で、私の体を引っ張る。結果、私は副社長の体の上に乗ってしまった。
「大胆だな、麻衣」
「これは明人さんのせいですよね。そんなことより、お客さんが来ています」