背徳の王太子と密やかな蜜月
「アロンソ……?」
「イザベル……お前が、欲しい」
欲求をありのままに語ったアロンソに、イザベルの頬が途端に赤く染まる。
いつもの彼ではない。直感でそう思っても、その原因がわからない。
「ど、どうしちゃったの、急に」
「急じゃない。……お前と出会ってから今まで、何度お前を抱く想像をしたかわからない」
アロンソは、まるでその“想像”を今まさに脳内再生しているかのように目を閉じ、熱っぽくかすれた声で語る。
「なな、なんで、そんなこと……」
大人の男女が一緒に暮らすという意味を、イザベルは深く考えたことがなかった。
いつも、アロンソが自分と同じベッドに入らないのはなんでだろうと、ただ不思議に思う、鈍感な女であった。
「お前が……そうやって、鈍いからだよ」
呆れたように笑った彼の息が頬にかかったかと思うと、イザベルの薔薇色の唇が強引にふさがれた。
「ん、ん……ッ」
欲望をむき出しにした、むしゃぶりつくようなキスに、イザベルは苦しげな声を漏らす。口内の隅々をざらついた舌に撫でられ、甘い唾液が流し込まれる。
(どうしちゃったの、アロンソ……)
イザベルは困惑しつつも、キスをしながらシャツの中に滑り込んでくるアロンソの大きな手を拒まなかった。