【BL】同部屋の2人
こういうチャラい人間はあまり得意じゃない。
「…いや、結構です。俺、自分で部屋探すんで」
俺はポケットに入っていた薄い紙を見せ、入口へと入っていった。
「ふ〜ん、釣れないの」
後から降ってくるこんな声はものともせずに。
この薄い紙には俺がこれからお世話になる部屋の番号が書いてある。
えーっと…
226号室…
エレベーターで上がり、一部屋ずつ確認していく。
そして───
「あった!」
ドアノブに手をかけようとしたその時、
ガチャ…
中から長身の男が顔を見せた。
サラサラな漆黒の髪、綺麗な瞳、高い鼻、薄い唇、そして顔立ちだけでなく、肩幅の広さやスラッと長い脚、程よい筋肉が付いている腕など…
息を呑むほど美しかった。