空色の君
1章

見えない少女

【那智side】
見える、ただそれだけが幸せ。
前は、目が見えるそれが当たり前だった。
見えないということで家族、日常が一瞬にして壊された。



「お母さん、そろそろお酒やめて仕事に行かなくちゃ」
テーブルに座っているお母さんに怯えながら声をかける。

「うるさいわね!なんであんたにそんなこと言われなくちゃいけないの!」

その言葉と同時にお母さんがテーブルを叩き荒げた声を上げていた。

「元はと言えばあんたのせいよ!あんたが病気になんかならなかったらお父さんは出て行かなかった!」

お母さんがわたしを見ながらにらむ。
そう、お父さんがいなくなったのはわたしのせいお母さんがお酒に溺れてノイローゼになってしまっているのも全部わたしが病気になったせい。


だから、わたしが責められるのは当たり前。
「ご、ごめんなさ…」

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