空色の君
ドスドスとお母さんが近寄ってくる音が聴こえる。でも、あくまで音だけ、わたしには全くではないけど目が見えない。



見えるのはほんの一部。わたしにはそれがなんの光なのかすらわからないくらい見えない。

グイッとお母さんに急に腕を引っ張られ、床に放り投げられる。
ごめんねお母さん、こんな目になったちゃってごめんね。


そのままお母さんはどこかへ行ってしまった。
元の家族に戻れないのかな、お父さんはどこへ行ってしまったの?目が見えなくなってからそんなことを考えるようになった。

もう、見えなくなってから2年も経つのにまだ慣れない、そしてお父さんがいなくなって1年。







体は高校2年生になったのに頭では風景が心がいまだについていけてない。
私がお母さんを引っ張って行かなきゃなのに。ね…
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