隣の席の魔法使い。
「拓真、倒れていた奴の容態はどうだったんだ」
「え、何急に。えっと、パッと見意識がなくて頭から出血してたよ」
「そうか……。拓真、今すぐ救急車を呼べ」
「え?」
はてなマークを浮かべる拓真に簡潔に物事を伝えると、すぐに西島の所へ向かう。
一番恐れていたことが起きた。
フラッ
「西島!」
目の前で倒れかけた西島を急いで支える。
西島の頭から大量の血が流れている。
「バカ!お前自分が何やったかわかってんのか!」
「へへ、ご、ごめん」
支えながら西島に怒鳴る俺に対して今にも意識を失いそうなのに西島は申し訳なさそうに笑う。
そしてそのまま静かに瞳を閉じた。