隣の席の魔法使い。
「だっ、大丈夫だよ、青葉くん。これでも一応死なない程度の怪我だと思って魔法を使った訳だし……」
「その判断が正しいかなんて実際にやってみないとわからないだろ。西島が大丈夫だって判断しても実は死に直接関わる怪我だったかもしれないんだぞ」
青葉くんの般若面がさらに険しくなり、声のトーンも下がる。
私が喋れば喋るほど青葉くんが不機嫌になっていってしまっているのは何故だろうか。
「頼むから自分の命を大切にしてくれよ、西島」
青葉くんが今度は真剣な瞳で私の瞳を見つめる。
青葉くんが言いたいことはよくわかる。
命はとても大切で尊いものだ。
それなのに換えなんてなくて、たった1つしかない。
それは誰でもそうだし例外なんてない。
だからこそ……
「うん」
私はその為に私のできることをしたい。
誰かに必要とされたい。