隣の席の魔法使い。
お勉強合宿。




「んー……」


日差しがガンガン降り注ぐ暑すぎる外とは違い、過ごしやすく設定されたとある施設の部屋でプリントとにらめっこをする。


わかんない。

全くわからない。


あの遊園地デート?から2週間ほど経った。

ついに夏休みに入った私たち高校2年生に待っていた地獄のイベント。

それは来年の受験に向けて一泊二日、お勉強合宿であった。


一日中プリントを解いて、答え合わせをして、わからない所は先生に聞く。


これの繰り返し。


しんどいよ!



「優香ちゃんも本当にバカだよねぇ」


「…………バカなことは認めるよ。このプリント難しすぎ」



たまたま席が隣だった穂乃果ちゃんが小馬鹿にしたような表情で笑いかけてきたので私は否定出来ず頷く。



「まぁ、そっちのバカもあるけど穂乃果は違うことのバカについて言ってるんだよ」


「へ?」



違うことのバカ?








< 109 / 193 >

この作品をシェア

pagetop